時事☆放談

時事☆放談『H2O関西スーパーOK賛成の反対!?白票はキケン』

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いったいどうして、こんなことに。

10代のころ、西武百貨店の地下にある食料品売場でバイトをしていた。地下フロアの端には大きな関西スーパーがあり、「関スパ(カンスパ)で洗剤買って来て」とか「ちょっと関スパ行ってくるわ」なんてやり取りはしょっちゅうだった。その後、地域によっては関西スーパーのことは関スー(カンスー)と呼ぶことをSiri、いや、知り、なんならそっちの方が多数派だと知って驚いたものだ。

関スパか、関スーか。どっちだ。

いや、そのどっちではない。それはどっちでもいい。

その関西民にとって愛すべきあの赤い関西スーパーが、滅亡の危機に瀕しているのだ。百貨店事業から食料品小売りに力を入れたい、両社共に大株主である、阪急オアシスを展開するH2Oリテイリングと、横浜を中心に高品質を激安で、の路線でひた走るオーケーが関西スーパーを取り合っているのだ。H2Oに経営統合された場合今の店名ブランドは保持されるかもしれないということで、そして激安チェーン傘下に入るのがイヤなのか、または、(これは関西の多くの人の心の内でもあるところだと思うのだけれど)ヨコハマから進出してきたよそさんに食われるならなじみ深い同じ関西の大手さんに、ということで関西スーパー側はH2Oとの経営統合を望んでいる。

この経営統合が実現すれば、イズミヤ、阪急オアシス、等と合わせてH2Oグループの店舗数は関西トップになる。勢いのある万代とは業務提携し、この数年大阪市内であちこちにできているライフ、そしてマックスバリュなどイオンに対して差をつけることになる。

山口県の某スーパーマーケットチェーン社長

「あ〜副社長。例の関西スーパーの臨時総会な、郵送で賛成に事前投票したんだが、やっぱり心配だからきみ、直接行って見てきてくれ」

副社長

「わかりました〜」

〜臨時株主総会会場〜

副社長

「社長の正式代理人としてきました〜委任状あります」

総会開催者

「それでは傍聴席ではなく、株主席へどうぞ」

副社長

「社長が事前投票しているから自分が投票しては二重投票になっちゃうな。どうしよう」

アナウンス

「白紙投票は棄権と見なし無効票となります」

副社長

「どどどどうしよう。数が合わなくなってしまうんじゃないだろうか。傍聴席にすわるべきだったか?」

くりかえしアナウンス

「白紙投票は棄権と見なし無効票となります」

副社長

「しかし正式な代理人としてここまで来て何もせずに帰るわけにも行くまい。それにみんなが順に前に出て投票しているのに、自分だけ何も箱に入れないのも何か怪しまれるんじゃ無いだろうか。う〜ん、こうなったら、白紙で出そう。数が合わないよりはマシだろう。な〜に、1票くらい、結果を左右することはないだろう」

「これは白紙は白紙でも、賛成の意味の白紙だ!」〜ストン。

〜そして白紙で投票〜

投票箱に入れる際「まあ後で番号を突き合わせればわかるか〜」と言っていたという話もある。

なんでそれを質問として訊かなかったんや〜!!

係の人も「え?それはどういうことですか」とは、なかなか、聞きにくいよなあ、、。

開票作業が進み、だんだんと不安になってくる副社長。イヤホントにドキドキものだっただろう。このときの彼の心中察すると、むしろ気の毒ですらある。

開票の結果、なんと賛成反対は同数、1票が白紙という結果に。←わからないのがこの結果に事前投票分は正しく加算されていたのか。総票数がおかしいぞ、ひとつ多いぞってならなかったのかな?

つまり白紙の主がどちらかに傾けば、勝利が決まる。けれどその時その場の投票結果がすべてなので、同点という結果になるはずだった。

しか〜し! そのとき!

副社長

「あの〜事前投票で賛成票を入れていたので白紙で投票したんですが、、」

あわてる主催者側。事前投票分を忘れていたのかもしれないし、傍聴席に誘導しなかった落ち度を責められることを恐れたのかもしれない。内々に、白紙を賛成票と見なし(賛成多数が関西スーパー側の強い希望でもあった)1票差で賛成多数とした。

しかし後にこのことが明らかになると、オーケー側はもちろん納得いかない。強引に急いで経営統合を進めてしまおうとするH2Oと関西スーパーに対して裁判所へ、投票に不正があったと経営統合差し止めの仮処分申請を申し立てたのだ。

地裁ではオーケー側の言い分が認められ、経営統合は保全されストップした。控訴した今回の高裁ではなんとそれがひっくり返され、両社統合が進むことになった。「株主の意思が重要」都の判断だ。オーケー側は最高裁へ抗告するかもしれないが、却下になる可能性もある。

たった1票で。白紙で投票したせいで。なんだか池井戸潤の小説みたいである。

なんでこうなった。誰が悪いのか。

・事前投票していたので傍聴席で結果を見届けるだけで良いと副社長に言い含めておかなかった社長の責任

・事前投票を把握し、受付できちんと参加者を整理し、傍聴席へ誘導しなかった総会開催者側の責任

・事前投票をしていても当日投票行動を行えば前のものは無効になると知らなかった副社長の責任

政治の選挙だって、期日前投票を行えばもう権利は行使済として投票日には投票できない。事前投票していたのなら仮に考えが変わったとて、投票できないシステムにすべきだろう。

賛成の反対の反対なのだ! これでいいのだ! とはならなかった。

副社長、怒られたのかな、、、たぶんおこられたんだろな、、おつかれさまです。

(追記)

2021/12/14 共同通信社

■関西スーパー統合の株主総会決議は有効

 関西スーパーマーケットとエイチ・ツー・オーリテイリンググループの統合を巡り、最高裁は14日、スーパー、オーケーの許可抗告を棄却する決定をした。統合案を可決した関西スーパーの臨時株主総会決議を有効とする高裁判断が確定した。

そうなるのではと予想されていたとおり、最高裁が棄却したようだ。「こんなことがまかり通っていいのか」というネットコメントもあるけれど、ケースバイケースでしょ。今回はこれでいいと思う。再度議決を取ったって、おそらく結果は同じだろうとも言われていた。半沢直樹なら抗告して時間を稼いでいる間にどちらかが不祥事を起こしたり、考えが変わったり、逆転することもあったかもしれないけれど、、。

事前投票と当日投票とか、委任状と代理人投票とか、今後こういうことが起こらないようにいろいろとしくみが整うきっかけになると思う。

オーケーは強引に買収できたとしても、どうしても乗っとって関西へ乗り込んできた感があって、今は分が悪い。同じヨコハマ系のロピアが関西に進出してきたけれど、近所でも話題になっていて、けっこうたくさんの人が行っていた。僕もたまに行って冷凍用に肉や魚を大量買いしている。現金しか使えないのがな〜。業務スーパーだっていまやクレジット対応してるよ!

仕切り直して、正攻法で関西進出を目指した方が後々いいんじゃあないだろうか。

もっとも、もう関西はこりごり、かもしれない。

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2021-12-16 | Posted in 時事☆放談No Comments » 
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