時事☆放談
時事☆放談『サウジの王さまがやってきた』
20年くらい前、僕が免許を取って車に乗り始めた頃
街中のあちらこちらにガソリンスタンドがあった。
赤い屋根、黄色の屋根、青い屋根。オレンジのも。
国道沿いのトラックなどが利用するような店は24時間営業で、
市内にあるような店は夜の10時か11時になったら閉店する。
ガソリンスタンドの道路の向かい側にガソリンスタンドがあったり、
なんならガソリンスタンドが2軒、並んでいる光景も珍しくなかった。
ガソリンスタンドの数は年々減少している。
ピーク時の1994年に6万カ所あったスタンドは2015年には
3万カ所と約半分になった。そのうちの3割がセルフ式スタンドだという。
要因はいろいろあると言われているが、若者の車離れや
驚異的な燃費率の向上、電気を使うハイブリッドカー、
そして近年では原油安も要因とされている。
昔のように数十名の社員やアルバイトを雇う深夜までの
経営はもう、成り立たないのだ。
今日の時事☆放談。
サルマン国王がガソリンスタンドで石油を売ろうとするが、
ガソリン不要のEV車が停まってくれない。
長年石油のリーダーシップを担ってきたサウジアラビアの
サルマン国王が来日した。46年ぶりだという。
サルマン国王は2015年に即位したばかり。
予め持ち込まれた専用のエスカレーター式の電動タラップや
ずらりと並んだ黒塗りで大量の高級外車が話題だ。
1000人以上の側近、大臣も随行するという、ちょっとした国家大移動だ。
国王であっても何故だろう、英国女王陛下や昨年ご逝去された
タイのプミポン国王のような王室の威厳はあまり感じられない(ごめんなさい)。
石油の国サウジの大金持ちの王さまが来日された、という感覚だ。
フランスの別荘に滞在した際には3週間でなんと6800億円ものお金を使ったそうで
(別荘からビーチに降りる特性エレベーターが設置されたそうだけれど
それは今回のエレベーターとは別なのかな…?)
ホテル、百貨店、飲食店、あと大きな声で言えないが高級風俗店にも
多数の予約が入ったとか。
今回の46年ぶり来日の目的は、経済・外交関係の協力強化だという。
2014年アメリカでシェールガス革命が起こり、原油価格が大幅に下落した。
リーマンショック直前には1バレルあたり130ドルまで上がった価格が25ドルまで下落。
石油に依存していたサウジアラビアは前年比6倍、約10兆円の赤字となり、
喫緊の仮題として脱石油、増税の検討などを進めている。
もう何十年も前から言われてきたことだが、石油埋蔵量には限りがある。
黄金の泉はいつか無くなる。新しい国家事業を見つけて推進していく必要がある。
すでに世界中でさまざまな次世代エネルギーが研究、開発されているが、
飛行機や船や自動車に石油に替わる新しい燃料を使う時代が、
僕が生きている間に来るのだろうか。
とりあえずガソリン価格はもうちょっと下がってもらえたら嬉しい。