ILLUSTRATION[さくひん]

2019年賀状『子イノシシ北上中』

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年賀状を卒業

今年届いた年賀状は実に少なかった。例年の半分くらい。正月明けに顔を合わせた数人かから「年賀状ありがとう。うちは今年から卒業しました」と言われたので、たぶん同じように卒業した方が多かったのかも。

幹線道路を突進、北上する子イノシシ、それを追うフランスパンを背負った姉と、カイトを引く弟。空はよく晴れていた。

僕の場合は知人友人親戚に加えて、ちょとでも仕事でお世話になった方にも送るようにしているから、毎年11月くらいから色々案を練ってイラストレーションを描き下ろし、印刷して郵送するけれど、そうじゃなかったら新年の挨拶はメールやSNSで十分かもしれない。実際、住所を知らなくてSNSで挨拶をしている方もいる。

それにしてもイラスト自体を紙で手に取って見ることが年々減ってきている。PC、スマホ、タブレットなど、なんらかの液晶画面を通して見ることがスタンダードになっていっている。それは良い面も悪い面もあって、印刷する手間がない分スムーズに世間に公開できるんだけれど、とにかく回転が速い。膨大な数のイラストレーションが連日秒刻みで世界中から流れてきて、SNSでちょっと話題になったイラストレーションも次の日にはもう新しいものに取って代わっている。

僕の愛する本や雑誌の挿絵イラストレーションも紙媒体の電子書籍化によって年々縮小傾向にある。紙媒体を作って電子書籍に流用した物なら従来どおりの仕様であることが多いけれど、はじめから電子書籍の仕様では、装丁、いわゆる表紙は予算を掛けて作っても、電子書籍用に挿絵イラストレーションをわざわざ描いて使うということはあまりないようだ。スマホやタブレットだと見開きよりも単ページの全画面表示が主なので、レイアウトデザイン的に挿絵スペースが確保しにくいということもある。

コミック誌の電子書籍も単ページのスクロール読みが主流になりつつあるので、日本の漫画家たちによっていままで培われた様々な読ませるテクニック、たとえば大事な場面は見開きでド〜ンと使ったりすることがこれからできなくなったりするといわれている。

とはいえ僕自身もう絵の具を使って描いたことなどこの10年くらい無いし、気持ちはペン1本あればどこへ行っても描き続けたいと思ってはいるけれど、実際はMacやスキャナやタブレットが無いとたちまち困ってしまう。その便利さと不便さを身にしみてよく知っているから、アナログで絵を描いて、原画で勝負している画家やイラストレーターは偉大だし宝だと、思う。

背景はイノシシの毛並みのアップなのです。

去年はなんだか身体を動かしたい衝動が抑えられず、トレーニングしたり走ったりチャリったりと運動ばっかりしていた。今年はたくさん描きたいと思う。描かせてください。

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2019-01-29 | Posted in ILLUSTRATION[さくひん]No Comments » 
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